エンジニアをしている人で、いつかはフリーランスになって独立したいと思っている人はそれなりにいると思います。個人的には、2005年から2013年の法人成り間で約8年間フリーランスだった期間があるので、その間に自分なりに心がけていたことあるので、共有できればと。

もちろん、当時と今では状況が違いますし、たまたまうまくいっただけの可能性もあります。ただ、今年再度会社員に戻るわけですが、副業としてフリーランス(個人事業主)に戻っていますし、万一会社員としてダメだったとしても、それほど気にしない理由もここにあります。

1. 自分なりの強みを持つ

他の誰とも違う、自分なりの強みを持つのが一番大事です。○○と言えばあなた、というブランディングがとても重要です。むしろ、それがなかったら独立しないほうが良いと思います。

この強みというのは非常に難しくて、間違った方向に行くと誰にも何にも響かないものになります。ただ、一朝一夕で身につくものでもないので、少なくとも3〜5年はその道を突き進む必要があります。その間、その技術が廃れなければあなたの価値ですし、その技術界隈自体なくなってしまうと、しんどいものがあります。

そのため、自分が探求する技術については慎重な見極めと、諦めない根性が必要です。新しい技術が出るとついぶれてしまいがちですが、それをグッと堪えて突き進まなければなりません。

個人的には2000年からのオープンソース、2010年からのプロジェクト管理、2014年からのDevRelというチョイスが良かったと思っています。こういったキーワードを見つけられるかどうかがフリーランスにとって大事になります。なお、AIなど競争が激しすぎる、日夜変化するもので頑張るのは疲弊するのでお勧めしません。

2. 外部評価される

先ほどの強みについて言えば、それは外部から見て評価されているものじゃないといけません。社内で評価されているから独立するというのはNGです。多くの場合において、社内と社外の評価はまったく違います。会社を辞めたらまったく相手にされなくなった、なんて話はとてもよく聞かれます。

外部評価されていると、バイネームで仕事を得やすくなります。そのためには外部での登壇を積極的に行ったり、執筆したり、普段から発信活動を行ったりする必要があります。

外部評価については、Googleで自分の名前を検索してみればわかるでしょう。そこにポジティブな評価がたくさん出ているようにしましょう。少なくとも私が仕事を依頼する際には、その人の名前や屋号で調べると思います。そこにネガティブな情報が出てくるようであれば、避けたくなるものでしょう。

3. ツテ・知り合いを作る

技術力があれば、仕事は向こうからやってくるというのは幻想です。誰だって、見ず知らずの誰かに依頼するよりも、人となりを知っている人に依頼したいと思うものです。飛び抜けた強みがある人であればまだしも、そうじゃない場合は仕事を依頼してくれるツテが多いに越したことはありません。

そういった意味でも、会社員として働いている時からコミュニティに参加したり、人との積極的な関わりが欠かせません。特にエンジニア職は社内に閉じこもりがちで、外部との接触の多くない職業です。それだけに積極的に外に出るようにしたり、コミュニケーションするように心がけないといけません。

ただ、同じ開発者同士の知り合いができても、仕事には結びつかないケースもあるので注意が必要です。同年代では決裁権、決定権がないことも多いです。知り合ったエンジニアが出世や転職してCTOになっていたりすると良いですが、あまり他人に期待を寄せすぎるのも問題です。

外部評価とも似ていますが、人間関係はよくあり続けましょう。どこで人が見ているかわかりません。人間関係での悪い評価は、仕事を得る上でもネガティブです。共通の知り合いがFacebookやLinkedInにいれば、発注前に評価を聞きたくなることでしょう。そこでネガティブな評価をされれば、失注してしまうことにつながりかねません。

4. 年相当の仕事と成果を心がける

20代のフリーランスと、40代のフリーランスに依頼する内容は異なるのが当たり前です。もし発注側の担当者が30代の場合、どちらの方が自分の下で働いて欲しいと思うでしょうか。同一労働・同一賃金とは言いますが、発注側としては割と年齢は関係するものです。

社員雇用の場合ですら、年齢は関係します。フリーランスへの仕事依頼の場合は、さらに顕著です。年齢に合わせて、自分の仕事スタイルや求められるであろう内容もアップデートしなければなりません。例えば40歳であれば、マネジメントに関わるものであったり、コンサルティングなどになるでしょう。そうなると、それに見合った実績がなければ、仕事が得づらくなります。

5. 不安定さを楽しむ

フリーランスや起業していると、必ず悪い状況になることでしょう。そうした時に、周囲に当たっても何も好転しません。むしろ、そうした不安定さやどん底を笑い飛ばしたり、楽しめるような精神力が必要です。

晴耕雨読と言いますが、よくない状況(雨天)の時には自己研鑽に力を入れたり、新しい学習に取り組む時期だと割り切りましょう。また、よくない状況になってから動き出しても遅いので、良い状況の時ほど積極的に動くようにし、悪い状況にならないよう常に動き続けるのが大事です。

個人的にそういった感情になるのは、収入がダウンした時です。そうした時に備えて、通常時から余剰金が出るように心がけましょう。会社員と違って収入が不安定な分、調子がいい時に貯まるようにしておくと、ダメな時にも気落ちせずに済みます。

6. 時間の仕事はしない

クライアントとの契約で、週○時間働いて欲しいと言われることがあります。個人的にはこういった仕事は断るようにしていました。1日8時間、週40時間しかない中で、週何時間かの拘束が発生するのは問題です。時間での拘束をよしとするならば、会社員でいいのではないでしょうか。

月にブログ10記事や、インタビュー記事1本などの仕事であれば喜んで請けています。それは、自分のやり方によって時間を短くでき、単位時間あたりの収入を上げられるからです。時間にコミットする仕事は、キビキビやってもダラダラやっても変わらず、こちらの生産性を下げる結果になります。

せっかくフリーランスになったのだから、束縛のない仕事を選ぶようにしましょう。

7. 常駐の仕事はしない

基本的に、客先常駐型の仕事は請けないよう心がけています。フリーランスの8年間でやったのは2回のみ、累計で1年くらいだと思います。

最初はフリーランスになりたての頃で、それまで勤めていた広告代理店で、自分がやっていた仕事を引き継ぐために出社していました。もう一つはプロジェクトマネージャーの仕事で、週2回オフィスに訪問するといった枠組みでやっていました。いずれにしても週5日、8時間といった制約は収入面や、契約が切れた後の案件探しという意味でも良くないと思います。

8. コーディングの仕事はしない

フリーランスになりたての頃に、システム開発の手伝いを2回ほど行ったことがあります。しかし、自分の単価と作業量を考えると、自分とクライアント双方にとって割りに合わないと感じました。おそらく、自分一人に開発をさせるなら、若手を3人雇った方が安いし速いのではないかと思っていました。

歳を取れば取るほど、開発効率は上がっていたとしても、実際の生産性は若手が束になったのに比べれば劣るでしょう。さらに昨今のAIコーディングがあれば、若手も生産「量」は劣らなくなります。自分自身、プログラミングの天才ではないので、そこで勝負しない方がいいと、さっさと土俵は降りてしまいました。

だからこそ、別な領域(他の人がいない領域)で勝負して生き残れたのだと思っています。

9. お金の出所、出しどころを知る

クライアントからお金をもらって仕事をする上で、どうお金が出てくるのかを知るのは大事なことです。会社には予算があり、決裁権を持った人たちから稟議・承認を得ないといけません。その人たちが会社にとってメリットがあると感じてくれないと、お金は一銭も出てこないのです。

お金が一番出やすいのは、クライアントが儲かるものです。さらに、それが手数料型・成果報酬型であれば稟議が通りやすいでしょう。開発チームに直接販売するものは、お金が出づらい傾向があります。なぜなら、開発チーム自体にはそれほど多くの予算が割り当てられておらず、開発チームが売上増に直結しているケースは少ないからです。

昨今のAIブームでいえば、開発生産性に関わるAIツールであれば予算が通りやすい傾向はあります。しかし、チーム全体で予算が決まっているケースが多く、他のツールをやめてまで採用してくれるかは不透明です。

大抵の企業は営業系と技術系(製造系)に分けて考えられます。それは社長がどちらの畑出身かによって分かれます。それによって予算をどう配分しているか、どういったツールであれば受け入れやすいかが決まってきます。こうしたお金の流れを把握せずに営業しても、うまくいかないことが多いでしょう。フリーランスでサービスを作ってもなかなかうまくいかないのは、こういったビジネス面の知見が少ないからだと思います。

10. 安請け合いはしない

そして何よりも大事なのは、安易に相談事に乗ったり、了承しないことです。詐欺師は優しい顔をして近寄ってきます。技術しか知らず、自分の価値を知らない人に対して、甘い言葉で擦り寄ってくる人たちは何かを奪おうとします。最悪なのは、その人たちは自分たちが悪い人だとまったく考えていないことです。

安い仕事を依頼する人は、次も安い仕事を持ってきます。知り合いからの紹介だからといって、いい人とは限りません。無理難題を一度聞くと、相手は敷居をそのラインに持ってきます。断固として断れというわけではありませんが、自分の価値を正しく見定めて取り組むのがお勧めです。

仕事を断るというのは、割と精神的に辛い場合が多いです。次はないかもしれない、やっておけば来月は楽になったかと…と心がぐらつくはずです。しかし、そこはグッと堪えて自分価値観と照らし合わせて、勇気を持ってお断りしましょう。

まとめ

会社員、フリーランス、一人法人とやってきて、ベストな働き方はフリーランスだったと思っています。自己責任ながら好きな形で働き、自分の価値を最大限アピールできる働き方だからです。

もしこれからフリーランスになりたいと思っている方がいたら、その一助になれば幸いです。